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桃山の茶陶4 瀬戸黒

 

 「瀬戸黒」と呼ばれている茶碗にはいくつかの特徴があります。次回に説明する黄瀬戸は食器が中心ですが、瀬戸黒は茶碗だけです。そしてこの茶碗の釉薬はその名のとおり漆黒です。さらに円筒を輪切りにしたような形をしています。

 黒色は、釉薬の中に酸化鉄が八~十%程度含まれているとき得られます。窯の中でこの釉薬を焼いて、焚きおえた後、自然に冷えるのを待って取り出すと、多くの場合褐色になります。ところが焼成中、釉薬が熔けたのを見計らって、窯の中から取り出して急冷させると漆黒になるのです。鉄釉を急冷させると真っ黒になることを美濃の陶工たちはかなり早くから経験して知っていたようです。室町時代以来、美濃でも瀬戸と同じように天目を焼いていました。天目を焼くときに、釉薬の熔け具合を確認するために色見用の陶片を窯の中から取り出していたことが、窯跡の発掘調査で判っています。

 瀬戸黒は、窯内で釉薬が充分熔けたころ、長い柄のハサミでつまみ出して急冷させていました。そのためには、あらかじめ色見孔の近くの取り出しやすい場所を選んで窯詰めしておかなければなりません。一回の窯で、ハサミの届く範囲には十~十五個程の茶碗が焼けたと思われます。取り出される直前の釉薬は、飴のように熔けています。これをハサミでつかめば、その部分に痕が残ります。瀬戸黒には必ずこの痕跡がついていて、景色のひとつとして珍重されています。

 茶碗の形は、ごく自然にロクロで成形すると、球を半分に割ったような天目形になります。底の部分が平面で、側面が垂直に立ち上がった筒形を作るのは、かなり意図的な作業が必要です。瀬戸黒に筒形の茶碗が作られて以降、この形は黄瀬戸や志野、織部、楽焼などに影響しました。何故このような不自然な形が作られたのでしょう。瀬戸黒も始めは底の部分がいくらか丸みを持った形でした。が、やがて筒形に定着します。多分、熱い窯の中から確実に取り出すため、つかみやすい形を工夫したのだろうと思います。筒形の形が定着すると、やがてそれだけではおさまらず、大胆に形を歪ませたり、ヘラを当てて作為的な変形が行われるようになりました。この歪みの手法は、後に出てくる『織部』に影響しました。瀬戸黒の色と形は、わびの美しさというよりは、豪快なたくましさを感じさせます。

 

桃山の茶陶
茨城県常陸太田

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茨城県常陸太田市美里町

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茨城県日立市

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茨城県日立市2

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