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喫茶の歴史21

 

 私たちが普段に飲んでいるお茶は、煎茶でも抹茶でも多くはみどり色です。私たちは余り疑いもせずに「お茶はみどり色または薄黄みどり色だ」と思い込んでいるようです。ところが、みどり色のお茶が一般に飲まれるようになったのは思いのほか新しいことのようです。私は、この喫茶の歴史を二年近く書き続けてきましたが、「これまでに説明してきたお茶の色は、全部茶色だったのではなかろうか」と思っています。空色、桃色、橙色、灰色などがそれぞれ、そのものの色を表しているのと同じように、「茶色は、誰もがお茶の色だと納得していた」のではないだろうかと思うのです。

高遊外が、長崎で中国人から習い、京都でその普及に努力した煎茶法は、生の茶葉や抹茶用の余材「折」などを集めて、鉄の釜で炒って作った釜炒り茶と呼ばれるもので、今日の番茶に近いものだったのです。

天文三年(一七三八)[八代将軍吉宗の時代]山城の国(京都府)宇治田原の茶農家永谷宗円が煎茶の製法改良に成功しました。従来の煎茶は新旧の茶葉に硬い古葉などありあわせのものを適当に混ぜ合わせて使っていましたが、宗円は、発芽したばかりの新しくて柔らかい葉だけを選び採り、これを一度蒸して焙炉の上で手で揉みながら乾燥させる方法を考え出したのです。これは現在行われている方法と殆ど同じです。この結果、赤黒だったり、黄色だった茶は美しいみどり色で、香りの良い甘味さえ感じられる上質の煎茶葉ができたのです。当時の人々はこの茶を「青葉」と呼んで大いに人気を博しました。宗円はこの製法を同業者に積極的に伝えて、茶葉の増産に貢献したと伝えられています。

この新しい製品の販路を一層広げたのは江戸日本橋の茶商山本嘉兵衛です。後に宇治にあった嘉兵衛の茶園では、茶樹を葭簀で覆い、直射日光を避けると共に防霜や防風も兼ねる工夫を発明し、一層上質の玉露を作り出すことに成功しました。

 煎茶の普及に拍車をかけたのは文人と呼ばれた人々でした。江戸時代の中頃には、平和な時代が百年以上も続き、教育や文化が普及して各地に知識人層が増えてきました。一方、身分制度が固定化するにしたがって、社会全体が停滞する現象もあらわになり、知識人たちの間には折角身につけた学問や教養を社会に還元して役立てることができないという不満や挫折感が広まっていました。そうした中から現実の社会への対応をあきらめて、芸術や趣味の世界に没頭しようとする意識が生まれてきます。このような生活意識を持った知識人を文人といいます。彼らが好んだ芸術や趣味は、知識性が高く地位や名誉などには執着せずに潔く自分を保ちたいとするもので、具体的には漢詩文、書道、南画、篆刻、煎茶などでした。このように江戸時代中期以降の煎茶は、常にアウトサイダーとしての性格を持っていました。世の中の支配者層は、徳川氏を中心とする武家集団で、武家社会では社交上の教養のひとつとして茶の湯(抹茶)が欠かせませんでした。これに対して反発や抵抗心を持っていた公卿や文人たちが煎茶を愛好することになっていったのです。幕末にいたって煎茶の愛好家たちの公卿や文人の中から倒幕思想の指導者が数多く輩出してくる由縁です。

喫茶の歴史
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